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私たちの事業

私たちは製錬事業と鉱山管理事業に取り組んでいます。

製錬事業

三菱マテリアルグループの銅製錬所や貴金属製錬所から発生する不純物(鉛・ビスマス・アンチモン・錫)や自動車などの使用済み廃鉛バッテリーを高品質の製品にリサイクルする事業に取り組んでいます。

鉛製錬は、大きく分けて4つの工程から成ります。

使用済みバッテリーの前処理工程
使用済みバッテリー(リサイクルバッテリー、以下RBと呼ぶ)は、鉛を含む電極(巣鉛と呼ぶ)、プラスチックケース、そして電解液の硫酸で構成されています。
この工程では、RBを解体して巣鉛を取り出して溶鉱炉工程の原料とします。プラスチックケースは破砕・洗浄の後、プラスチックとして販売します。電解液はリサイクルできないので、中和して無害化します。

溶鉱炉工程
溶鉱炉では、RBから回収した巣鉛、銅・貴金属製錬所からの鉛滓類(硫酸鉛など)を原料とし、溶鉱炉で鉛を還元して鉛品位約97%の粗鉛を生産します。溶鉱炉排ガスは、二酸化硫黄を含むので、それを回収、無害化した後に煙突から放煙します。
また、溶鉱炉では、不純物の一部を水砕カラミ(水砕スラグ)に固化し、集積場に積み置きます。

電解工程
電解工程では、鉛品位約97%の粗鉛を原料とし、重量約180kgのアノードを鋳造します。アノードと純度99.99%の種板を電槽に入槽し、けいフッ化水素酸を電解液として電解精製を行い、最終的に鉛純度99.99%の電気鉛(50kg/個)を製品としています。
電解工程では、鉛以外の有価金属(金、銀、ビスマス、アンチモンなど)はスライムに濃縮されますので、それを回収します。

副産工程
副産工程では、スライムに含まれる有価金属(金、銀、ビスマス、アンチモンなど)から、粗銀(金、銀)、ビスマス品位99.99%の電気ビスマス、三酸化アンチモンを副産品として回収しています。

その他鉛製錬には、電気鉛から鉛合金を製造する工場、アノードを製造する際に発生するドロスから錫滓を製造する錫回収工場などもあります。

私たちの製品

電気鉛(純度99.99%)を中心に各種鉛合金、副産製品を製造しています。

  • 電気鉛

    4N(99.99%以上)の鉛です。
    使用済み自動車用バッテリーなどのリサイクル原料から純度99.99%以上の鉛地金を製造しています。
    用途例:自動車用などの鉛バッテリーの原料

  • 各種鉛合金

    各種Pb(鉛)-Sn(錫)-Ca(カルシウム)-Al(アルミニウム)系合金を製造しています。
    用途例:自動車用鉛バッテリー等

  • 電気ビスマス

    4N(99.99%以上)のビスマス地金です。
    用途例:鉛フリーのはんだの添加剤

  • 三酸化アンチモン

    純度は99.5%以上の三酸化アンチモンです。
    用途例:難燃剤、顔料、触媒等

鉱山管理

鉱山から出てくる坑内水はpHの低い酸性水で、またカドミウムなどの重金属類を含んでいるため、そのまま流してしまうと環境に悪影響を与えてしまいます。坑廃水処理場ではまず坑内水に消石灰などを加え、pHを上げてアルカリ性にします。これにより重金属類を沈殿させられるので、シックナー・砂ろ過槽を通してこれらを取り除きます。取り除いた沈殿物は藤沢集積場に運びます。処理排水はpHを中性にしたあと、きれいな水にして川に流しています。

坑廃水処理設備